イギズギイレブン
この記事はTCU-CTRL場外乱闘 Advent Calendar 2019 - Adventar 21日目 の記事です。今日は21日だ。誰が何と言おうと21日目なんだ。
前回のはいじあさんの記事はこちら
ほんへ
イナズマイレブン。それはかつて小中学生の中で一大ブームを築いたサッカーRPGである。そのイナズマイレブンをリブートしようという試みが2018年4月6日から9月28日まで放送されたイナズマイレブンアレスの天秤と2018年10月5日から2019年9月27日まで放送されたイナズマイレブンオリオンの刻印だ。
しかしながらこの試みは失敗してしまった。失敗した理由はクソアニメだったからと言えばそれまでなのだが、最初から最後まできちんと視聴してしまった一視聴者として一歩踏み込んで解説していこう。
まず初めに簡単な概要から説明していく。
アレスの天秤は初代イナズマイレブンの1年後。円堂守率いる雷門イレブンが世宇子中を打ち破りフットボールフロンティア優勝を果たした1年後の話だ。旧作(以下正史)ではこの後、雷門中にエイリア学園が襲来し、校舎を破壊され、全国を回り彼らと戦うストーリーが始まるのだが、アレスの天秤はエイリア学園が襲来しなかったIFを描いたものだ(その他設定の改変は後述する)
それから少しして、雷門中がフットボールフロンティアを優勝したことから日本中でサッカーブームが起こり、中学サッカーの規模が拡大し、スポンサーなしでは一学校で運営できないほどに膨れ上がってしまう。
また、雷門イレブンはのちに控えるFFI(フットボールフロンティアインターナショナル)に備えて、日本のサッカーのレベルを引き上げるため強化委員として各地の中学に派遣されている。
要約するとエイリア学園が襲来しなかった。スポンサーなしで中学サッカー部を運営できなくなった。雷門イレブンはバラバラになって全国の中学に派遣されていて、代わりに雷門中には後述する伊那国イレブンがいるという3点だけ抑えておけばいい
次に主人公だが、今作の主人公は円堂守ではない。
稲森明日人、灰崎凌兵、野坂悠馬の3人だ(以下、明日人、灰崎、野坂)。
3人と3人が所属するチームメンバーは今作からの新規キャラクターであり、3人のそれぞれの視点での物語が(ゲームでは多分きっと)展開される。
明日人は伊那国島で暮らすサッカー少年だ。公式のキャッチコピーは太陽に選ばれたサッカー小僧だ。その名の通りに明るくまっすぐで、サッカーをこよなく愛する純粋な少年だ。
そんな彼だが、物語の第一話で学校にスポンサーをつけることができず、サッカー部が廃部になることを告げられ、また、ついでに母親が病気で亡くなる。
兄弟が人質に取られたり、亡くなったりすることが稀によくあるイナイレの中でも特に散々な目に合っているキャラクターだろう。
しかし、そんな目にあっても彼は持ち前の前向きさを失わず、母親との約束もあり、サッカーを続ける方法を探す。
そして、詳細は割愛するが、雷門イレブンが強化委員として出払っている雷門中の代わりとして、FFに参加することになる。
また、アニメは主に明日人視点での物語になっている。
灰崎は星章学園に所属するピカピカの一年生だ去年までランドセル。ちなみに他の二名は2年生である。ある理由でサッカーを復讐の道具として用いており、それと性格の問題でチームメイトとの折り合いが非常に悪い。
そんな彼がデレ自分の本心であるサッカーが好きだという気持ちに気づき、チームメイトを認め、認められていくのも見どころの一つである。
野坂は王帝月ノ宮に所属する。王帝月ノ宮はサブタイトルにもなっているアレスの天秤(アレスシステム)という英才教育プログラムによって育てられた子供たちで主人公兼ラスボスのような立ち位置である。
当初は変な座り方で試合を観戦していたり、試合ではボールに一切関係なく、敵チームを試合続行不能に陥らせるグリッドオメガという必殺タクティクスを披露したり、敗灰崎の幼馴染を寝取ったりと悪役ムーブをかましていたが、その真の目的はアレスシステムによって生じる精神崩壊や、野坂自身が患っている脳腫瘍などの副作用の告発であった。
そして、本作では正史では故人であったキャラが生存している。
エイリア学園襲来の首謀者である吉良星二郎が世界を憎む原因になった吉良ヒロトの死がなかったことになっている。その結果、正史における基山ヒロトはヒロトの名を受け継ぐことなく、基山タツヤとなっている。
また、吹雪士郎の弟、吹雪アツヤも生存している。その結果、士郎は自責の念にとらわれることなく、正史よりもややナルシストな性格に変化している。
こういった、正史では名前だけ存在していた人物の登場で、当初の発表では期待させるものであった印象が強い。また、エイリア学園はオサーム様を登場させるためだけに全員1年学年を落とされ、永世学園として登場する。
オリオンの刻印はイナズマイレブン3世界への挑戦のようなものである。アレスの天秤はゲームの宣伝兼これの前座である。新旧入り混じったドリームチームで世界を相手に戦う、何ともワクワクさせるものであった。
また、ここで新規キャラである一星光
さて、
アレスの天秤とオリオンの刻印はなぜ駄作なのか
その問題点を纏めていく
問題点
その1 明日人ら伊那国イレブンの目的が序盤で達成されている。
さて、廃部の危機に陥った伊那国中サッカー部だが、もぬけの殻になった雷門中の代わりにFFに出場し、1勝を上げスポンサーを獲得することをサッカー部存続の条件として出される。
この条件だが、初戦の星章学園戦で敗北したものの、いい試合であったためスポンサーを獲得することができた。つまり、この時点で彼らにとってこれ以上勝ち上がる必要はない。まあ、せっかくついたスポンサーが離れてしまうので多少は勝つ必要はあるだろうが、FF優勝をする必要性は全くない。
この優勝に対する理由の欠如が主人公側を全く応援できない、むしろ負けてくれという反応に繋がった。
毎試合、対戦相手のエピソードが回想として嫌になるほど入るのだが、主人公側の特訓のシーンは尺の都合で一切ない。
序盤は必殺技の特訓のようなことをしていたが、物語が進むにつれてだんだんと少なくなっていく。ぽっと出の必殺技は初代3でもよくあることだったが「ヒロトくん!特訓の成果を!」新シリーズで1にあたる今作でそれをやられてしまうとキャラに対する思い入れが生まれない。
特に顕著なのが永世学園戦である。
正史では故人であった吉良ヒロトと基山タツヤ(正史では基山ヒロト)のエピソードで、父に愛されていないと荒れているヒロトをタツヤがなんやかんやして、愛されていることに気づかせる話である。
そして、気まぐれで気分が乗った時しか試合に出ないヒロトのことを仲間だと認めていない他のおひさま園のメンバーが試合の中で改心したヒロトのことを認め、優勝したいと気持ちを一つにする。
この描写がやたらと丁寧で、視聴者を永世学園側に感情移入させるのに充分すぎるほどであった。結果、この時点までで主人公側に対してヘイトが溜まっていたこともあり主人公側に対して頼むから負けてくれ。永世学園がんばえー! となった。主人公側が勝ったことを除けば面白かったエピソードである。
このように、主人公側に思い入れがないことで主人公側が勝っても面白くないのがアレスの天秤の大きな問題の一つである。
その2 普通のサッカーをするな
見たいのは超次元サッカーなんだよオラァ!
この問題は、FF予選最終戦である星章学園戦まで主人公である明日人がFWであるのにも関わらず単独シュート技を持たないこと。多くのチームにおいて、必殺技が少なく、シュート技に偏っていることで生じている。
伊那国イレブンの必殺技だが、初期での単独シュート技は小僧丸がファイアトルネードくらいで、主人公かつFWである明日人が単独シュート技であるシャイニングバードを披露したのは予選最終戦である星章学園戦である。ここに至るまでファイアトルネード以外の単独必殺シュートはなく、一つ前の試合で習得した3人技の北極グマ2号のみである。
結果、エースストライカーは小僧丸になるのだが、流石に主人公でFWで得点させないわけにはいかなかったのか生まれたのが明日人のノーマルシュート最強説である。
ノーマルシュートが必殺技を正面から破るのは神のアクアやエイリア石を使ってるわけではないのでなかったが、あの手この手で必殺技を撃てない状況にして決めたり、そもそもキーパーがキーパー技を持っていなかったりした。それで、明日人のノーマルシュートが入っている場面がやたらと多く印象に残る。
反面、ファイアトルネードは対策されたり、必殺技とぶつけさせられたりと決定率は低かったように思える。
あと、剛陣ってキャラがメガネクラッシュ顔面で軌道を変えたりとかしてた。
また、キーパーが技を持ってない問題だが、例えば、豪炎寺が強化委員として派遣されている木戸川青洲の必殺技は、シュート技がファイアトルネード、トライアングルZ、バックトルネード、爆熱ストーム(トライアングルZ+ファイアトルネード)、ディフェンス技がスピニングカット。以上である。
キーパー技は存在しない。ちなみにこれは優遇されている方である。
そのため、攻撃力は非常に高いのに、シュートを打たれたらまず入るというガバガバっぷりを披露した。しかもこの星章学園vs木戸川青洲、星章学園はチームに協力しない灰崎を更生させるためにキーパーとして出すという舐めプしている。序盤はファイアトルネード、トライアングルZ、爆熱ストームと大差をつけたのだが、灰崎が改心してから一転攻勢。瞬く間に4点取返し4-3で星章学園の勝利。
木戸川青洲の敗因は間違いなくキーパーが雑魚だったからである。
また世宇子戦、この試合は星章学園vs王帝月ノ宮の裏で15分で片づけられた試合なのだが、必殺技がシュート技のゴッドノウズインパクト、天空の刃の二つだけである。前作ラスボスがこの扱いである。なお、キーパーの歩星呑一は前FFで3年生であったため卒業し、3つ下の弟の歩星呑二に代わっている。ポセイドンウォールどこ行った?
余談だがこの天空の刃を使うプレイヤーは新キャラで、意味ありげに出ていたわりにはオリオンの刻印で日本代表に選抜されることなく以後出番はなかった。ゲームでは何かあるのだろうか?
このようにこのようにイナズマイレブンの魅力であった必殺技のぶつかり合いがキーパーが技を持たない、ノーマルシュートがポコポコ入ることによってなくなってしまっている。必殺技を撃つ→うわー!がお約束である。
また、これは続編であるオリオンの刻印でなのだが、DFの新技が風丸のスピニングフェンスしかない。他のDFは新技を習得しない。ドリブル技も一星のブルースターダストくらいで明日人は技スペースの都合なのかドリブル技であるイナビカリダッシュを忘れている。序盤はタクティクスで攻めることもあったが、野坂が王者のタクトを習得してからは、敵のデータを解析→野坂が指示を送ってゴール前までボールを運ぶ。破られるまではこのワンパターンである。というか、相手のDFは一切ディフェンス技を覚えていないので普通に抜く、取られる場面が多い。
流石に世界ということでキーパー技がないことはなくなった。
その3 アレスの天秤と明日人の関連が薄い
サブタイトルにもなっているアレスの天秤だが、アニメでのメイン主人公である明日人との関わりが非常に薄い。
というかほぼ野坂が全て解決した。
野坂の作戦は自分たち王帝月ノ宮が伊那国と全力で戦って負けることでシステムの信頼性を損なわせ、それと同時に副作用の証拠を叩きつけてぶっ壊すというものだった。
その1でも言ったように明日人らが優勝する意味は限りなく零だったのだが、これで王帝月ノ宮に勝てるのであればどこでもよかった気がする。ちなみにこの試合、灰崎は鬼道のように(星章学園の強化委員は鬼道)雷門に転入し、参加している。
明日人と灰崎の合体技とか期待したのだが、そんなものはなかった。
視聴者の視点が明日人なので、結局アレスの天秤ってなんだったの? となる。野坂が裏で片づけて、こうこうでこういうことがあったんだよー、そのために利用させてもらったぜいえい☆と後から聞かされたようなものだ。
その4 オリオンの刻印の反則に流石に無理がある
時間がなかったのでオリオンの刻印はここに要約する。
一言で言えば裏で陰謀が渦巻いているイナズマイレブン3世界への挑戦。オリオン財団う組織がサッカーでビジネスを行うため試合の勝敗調整をしようと各国のチームにオリオンの使徒を送り込んでいる。
オリオンの使徒は反則を用いて時には味方にすらその牙を向け、オリオン財団が望む試合結果にしようとしてくる(フィフスセクターみたいなもの)
序盤の韓国はラフプレーやスパイクに仕込んだ鏡で目くらましと比較的穏便な手段で妨害をしてくる。だが、物語が進むにつれ妨害はエスカレートしていき、審判は買収されているからいいとして、観客を誤魔化すのは無理があるものが出てくる。
ゴールポストからガスが噴き出したり、完全に蹴り飛ばしてたり、スパイクに刃物仕込んでて斬ることしかできない奴とか、ギュイーンって音がする筋力増強サポーターとか。視聴者を笑わせに来ているのだろうか?
最後に ゲームいつまでも発売されない問題
共同開発の会社に嘘の進捗報告をされていたらしいです。
アニメクソすぎた上に終わっちまって完全に販促になってないけど、逆に最後の希望をゲームに託している自分みたいなのもいるので早く発売してください楽しみにしています。
あとがき
次からは余裕をもって書き始めようね!(2回目)
あと書くこと最初にまとめてから書こうね! 永遠に終わらない。
さて、次回は べいさんのコットンハウスかゴブスレTRPGについてです