うごくメモ帳のお話
この記事はTCU-CTRL場外乱闘 Advent Calendar 2018 - Adventar12月13日の記事です。前回のあるみに大会長の記事はこちら
さすがはにゃんこガチ勢ですにゃ。何一つ理解が追い付かなにゃい。
本来周回に用いるはずのオートプレイを攻略に活用しようとする発想には驚きましにゃ。
はじめに
なろう小説について語るといったな
というわけでうごメモの話をします。
深淵を覗くとき、深淵もまたこちらを覗いているのだ
うごメモとは
客観的な説明は全てWikipedia大先生に任せるのでうごメモってなんだよクソが、という人は先にこちらをどうぞ。
うごメモについて何となく理解しましたか?
ここからは深淵から僕の主観でのみ解説していきます。
まず初めに
うごメモはクソである
そのことを認識していただきたい。
うごメモに付随するメモ投稿サービスであるうごメモはてなは、他の動画投稿サービスの下位互換と言っても過言ではありません。投稿できるメモは白黒赤青の4色しか使えず、長さも音声が約1分しか録音できないことを考えると1分の長さに限られた(音を使わないメモは例外)。ニコニコからの転載も多かったのですが、それは白黒になっているため転載にすら満たない存在です。つまり投稿される作品の質は低いのです。今にして思えばこんなのを見るよりニコニコ見てた方がよかったです。
なぜ流行ったのか
ではなぜうごメモが流行ったのか。動画作品が作りたいのなら当時はニコニコが全盛期だったのもあり、そちらの方がより良いものが投稿できるし、より良いものを見ることができます。
しかし、うごメモは流行りました。その理由は他の動画投稿サイトにはない一点にあります。
簡単だったから
そう、うごメモは簡単なのです。他動画サービスに比べ、作品制作のハードルが低く、動画を編集するために高価なPCなど必要なく、1万5千円のDSiさえあれば誰でも始められます。当時はまだ小中学生がPCをもっている時代でもなく、スマートフォンなんてものもありませんでしたので、中二病患者の溢れる痛々しい妄想のはけ口として最適であったと言えるでしょう(体験談)。
また、うごメモには難しい操作はいりませんでした。大体の操作が直感的にでき、また、そもそもできることが少ないから覚えることが少ない。一部テクニックのようなものもありましたが、そういうのは(星稼ぎのために)誰かがメモにまとめて定期的にランキングに上がっていたので、情報を得るのも簡単でした。当時の小中学生に著作権なんて概念があるはずもなく、版権キャラや音楽素材のメモが転がっている無法地帯であるため、素材集めも容易です()。
そして、評価するのも同じ小中学生が大半であるため評価を得るのも簡単でした。
事実、他人のメモのキャラクターの部分を張り替えたメモで数日間天下を取ったりした。著作権もクソもない(元のメモのキャラクターもハイジとクララだったから著作権もクソもない)
評価者の名前が表示されることや、評価用の星は無限に付けられるため承認欲求が強いキッズは必死に星をつけるボタンを擦ったことも(体験談)評価がもらいやすい一因となっていたでしょう。
また、作者同士やそれ以外の人との交流も盛んでした。コメント機能だけを利用したチャットルームなんていうものもありました。当時のキッズは知らない人と会話ができる楽しさにおぼれ夜更かしをしたことでしょう(体験談)
あと作者同士の交換ノートとか、思い出したくもないですね、ほんと。なんで誰でも見れる場所で交換ノートやってんだよ。
終焉
そんなうごメモにも終わりがきました。任天堂の次世代携帯器、3DSが発表されたときにはああ、終わるんだな、と多くの利用者は察していたことでしょう。また、この時期には全体的なメモのレベルが上がり、簡単ではなくなってきていたことや、有名作者の高校受験、進学による引退などがあり、活気はなくなってきていました。
しかし、うごメモが真に終わるとは誰も思っていなかったことでしょう。どうせうごメモ3Dが出ます。そっちに移住すればいいや、それに新規も入るだろうしまた盛り上がるだろう、と。
しかしうごメモは終わりました。オワコンです。ここからはどうしてうごメモが終わったのか、うごメモ3Dがなぜダメだったのか、考えていこうと思います。
うごメモ3Dじゃダメなんですか?
どうしてうごメモ3Dがダメだったのか。
ここからはうごメモはてな(DSi版うごくメモ帳の投稿サービス)とうごメモワールドギャラリー(うごメモ3Dの投稿サービス)を比較して解説していこうと思います。
まず初めに、この二つの最大の違いは基本利用料の有無です。
うごメモはてなにもカラースターという課金要素はあったものの、マイページのテーマの購入か、他人の作品にカラースターをつけて応援することしかできません。どうしてそんなものを買ってしまったのか。つまり通常の利用では一切お金がかかりません。対するうごメモワールドギャラリーは月額100円でした。
ここで多くの人はたかが100円と笑い飛ばすことでしょう。僕もそうです。しかし、この100円は100円ではなかったのです。
どういうことかというと、この100円を払うためには電子マネー、ニンテンドープリペイドカードの購入が必要です。ニンテンドープリペイドカードの最低金額は1000円。100円を払うとしても1000円が一度に消えるのです。
前述のとおりうごメモのメイン利用者は小中学生。そんな彼らのお財布から一度に1000円もの大金が消えるのは酷なことでしょう。また、書きもしないのに見るだけで100円払うのもなーという人もいました。僕です。
しかし、それを見越していた任天堂は救済策を用意していました。それが
15時から21時までのフリータイム
です。
そう、15時から21時まではスターを使わないことであればなんでもできたのです。
……スターを使わないこと?
これがワールドギャラリー最大の失敗でした。
ここで今更ながらスターについて解説すると、これは一人複数つけられるいいねのようなものです。はてな時代では通常スターとカラースターの二種類があり、通常スターは無償でいくらでも付けられました。対するワールドギャラリー、カラースターを廃止し、通常スターは月額100円の中に100個内包されるようになりました。
さて、このワールドギャラリーのスターでできることですが。
・メモの投稿
・投稿されたメモへの評価
・投稿されたメモへのコメント
・投稿されたメモの保存
ざっとこんなところだったと思います。
また、100円を払わなくても、1つも持っていない場合1つ付与されるという救済がありました。
この結果、かつてのうごメモの星爆のような大量の星による評価はなくなり、コメントなども活気を失い、チャットは完全に潰されまあ、サーバーの圧迫になっていたから仕方ない部分もある、メモの保存と1度の評価が等価になってしまったことから、利用者の評価するという行動が慎重になってしまい評価を得ることが難しくなってしまったのです。
また、エディタでできることが増えてしまったのも逆効果だったのかもしれません。
色は、少ないからこそよかった
自分はそう思います。
次の問題点が、ワールドギャラリーのユーザー名が本体の名前と同期されてしまうことです。また、アイコンがクソダサキモMiiしか使えないことです。
うごメモ時代は、はてなIDははてなの仕様上変更できませんが、ユーザー名はうごメモはてなだけでの名前にでき、アイコンも自作イラストでした。アイコンが自作イラストなのは仮面を被るような意味合いもあったので自分の分身であるMiiにしてしまったのは完全に悪手だったと言えます。
そして、3DSに標準装備されているフレンド機能。これがいけなかった。
フレンドにユーザー名がばれる→ユーザー名で検索→死ぬ
うごメモに黒歴史を投下していることを自覚している、当時高校生になった利用者にとってこれは最悪と言っても過言ではありませんでした。僕が言いました。
まあ、リアルに友達がいない真の陰の者には関係なかったのかもしれませんが。
次にダメだったのがランキングとジャンルです。はてな時代は様々なジャンル分けがされ、利用者の要望でチャンネルが増えたりと非常に優れたものでした。しかしワールドギャラリー、総合ランキングと新着しかなかった。
後からジャンル別が追加されたものの時すでに遅し、ワールドギャラリーは評価されにくいわ探しにくいわの利用者のこと考えてんのこれ、と言いたくなるクソサービスという認識が定着していました。
こうしてうごメモは終わったのです。
終わりに
ここまでうごメモ酷評しましたが、うごメモはてなは神サービスだったと思います。この記事はうごメモへの感謝を込めて書きました。うごメモがなければ今の自分はないと思うし、フォルティアなんて名前が生まれることもありませんでした絶対許さねえ。
ワールドギャラリーに関してはぶっちゃけ最初だけ触ってほとんど利用してないですが、紛れもなく敗北者なので取り消しません。
次の記事はtnさんです。よろしくお願いします。